COROSの入力済ワークアウトは、アスリートにとって有益なトレーニングツールの1つです。目標レースへの準備段階でも、特異性を高めるための微調整の段階でも、計画的なセッションが目的を持ったトレーニングに役立ちます。今回の記事では、COROSアプリとCOROS Training Hubを使って、ワークアウトの構築やカスタマイズ方法をご紹介します。
「入力済ワークアウト」とは何?
入力済ワークアウトは、事前にメニューが決められているものであり、設定タイムやリカバリーなど細かい変数を感覚ではなく計画的にこなすもので、特定の強度ゾーンや心拍ゾーンなどを設定する一連のステップを含みます。これらのゾーンは心拍数やペース、パワー、ピッチ、出力ペースなどを基に設定することができます。
COROSはランニングやサイクリング、水泳、クライミング、筋力トレーニングのためのワークアウトメニュー作成に便利なワークアウトビルダーのツールを提供しています。
COROSアプリでの「入力済ワークアウト」の探し方
1. COROSアプリのプロフィールページを選択します。
2. 「トレーニングメニュー」に進んで、右上の「+」をタップします。
COROS Training Hub(パソコン/タブレット)での「入力済ワークアウト」の探し方
1. training.coros.com にアクセスし、アカウントにログインします。
2. 「スケジュール」をクリックします。
3. 右側のワークアウトから「ワークアウトを作成」を選択します。
ワークアウトビルダーを開くと、メニューの詳細が確認できます。
● ウォームアップとクールダウン:冬季など、アスリートは運動開始時に身体が硬まっていたり、クールダウン中に疲れている場合があります。このため、ウォームアップとクールダウンのデータは効率性やランニングフィットネスの計算時に反映されません。
● トレーニング&リカバリー:トレーニングメニューやリカバリーの詳細を以下のように設定します。
時間:運動の時間や距離、または特定のトレーニング負荷を目標にしてみましょう。また、リカバリー設定の入力時には、心拍数が特定値に戻るまで待つような設定にすることもできます。
強度:強度タイプ(心拍数やペースなど)を選択し、その後目標とするゾーンまたは値を選択します。
ヒント:強度は相対的強度(例:ゾーン3の心拍数)または、絶対的強度(例:4:00/kmペース)に設定できます。相対的強度はユーザーのフィットネスレベルに合わせて調整されますが、絶対的強度はすべての人にとって同じ目安です。
トレーニングプランの作成は主要な全てのアクティビティをサポートしていますが、筋力トレーニングとクライミングのワークアウトは動作が異なります。、筋トレは体重、クライミングはクライミンググレードに依存します。
メニュー作成後、ワークアウト内容はトレーニングメニューに保存され、トレーニングプランの作成時に使用できます。トレーニングプランとは、単にこれらのワークアウトをそれぞれ順番にカレンダーに組み込んでいくものです。ワークアウトとトレーニングプランはリンクで共有可能でき、共有リンクからダウンロードすると、そのプランやワークアウトのコピーがライブラリに追加され、必要に応じて編集できます。Training Hubでは、コーチがプランやワークアウトを、メンバーのカレンダーに直接組み込むこともできます。
トレーニングスケジュールの予測指標
スケジュールにメニュー内容を入力していくことで、ベースフィットネスと負荷比率の両方を推定値がグラフで表示されます。これは、トレーニングメニューを入力したスケジュール通りに消化することができれば、ある時点においての状態が事前に把握できるものです。この予測指標は、トレーニング計画の作成時に役立ち、オーバートレーニングやトレーニング不足を回避することができます。
ヒント:ジョグを含めてすべてのアクティビティをカレンダーに入力、追加することで、EvoLabシステムが今後のベースフィットネスと負荷比率を正確に予測して予測指標を提供します。
ワークアウト完了: 目標の維持
ワークアウトメニューがカレンダーに追加されると、COROSウォッチと同期することができます。ウォッチのカレンダーウィジェットからは、最大2週間分の入力済ワークアウトの詳細が確認できます。また、ランや筋トレなどのアクティビティ開始時、ウォッチはその日に予定されている(入力されている)ワークアウトを開始するように促します(その日に複数のワークアウトメニューが入力されている場合、どのワークアウトメニューを選択して開始するかが画面上に出てきます)。
入力済メニューのワークアウト中には、標準のアクティビティモードと比べて以下の追加機能が利用できます。
● 目標値モニタリング:キツすぎたり、あるいは楽すぎたりするなど、設定している強度範囲外の状態ではウォッチがアラートを鳴らします。ワークアウト中にリアルタイムのアラートを活用することで、適切なゾーンが維持できます。
● セクションナビゲーション:ワークアウトの前後セクションをスキップする必要がある場合、一時停止画面で「ワークアウトを確認」を選択します。
● 自動スタート/手動スタート:ワークアウト中の自動スタートを有効にすると、設定した時間や距離に到達した時に、ウォッチのボタンを押さなくてもすぐ次のセクションへ移行します。自動スタートの無効時はセクション終了前にアラートが鳴り、次のセクションへの移行にボタン操作が必要となります(自動スタートはインターバル走などのボタン操作の頻度が多いトラック練習などで便利です)。
ヒント: 入力済ワークアウトの最後のセクションを完了する時に、自動スタートが有効になっているとウォッチはアクティビティを一時停止します。その際にクールダウンを行ったり延長するなど、アクティビティ計測を延長したい場合、ウォッチを操作して計測を再開していることを必ず確認してください。
ワークアウトの達成率
入力済ワークアウトのメニューを完了すると、COROSはそのワークアウトの達成率を計算し、元々のプランに対してどれぐらい達成できたかをパーセンテージで示しますが、これは以下の要素の組み合わせによる数値です。
● 数値達成率:予定していた運動時間や距離を完全に達成したかどうか
● 強度達成率:予定していた心拍数やペース、パワーゾーンを維持できたかどうか
例えば、3:30-3:45/kmのペースで3kmのランニングを行った場合、3kmは走行したもののこのペースゾーンを維持できた運動時間全体の80%だった場合、達成率は90%(数値は100%、強度は80%)となり、ウォームアップとクールダウンもこの計算に含まれます。
いくつかの重要なポイント:
● 入力済ワークアウトの各セクションが、それぞれ評価されます。
● 目標が設定されていないセクション(入力済ではないアクティビティ)は達成率の評価がされません。
● カレンダーの各メニューの右上に「達成率」の数値が表示され、過去のセッションの達成率が確認できます。
COROS Training Hubのスケジュールページにおける入力済メニュー例
アクティビティ詳細のページでは、ワークアウトの各セクションごとの「達成率」が表示され、具体的にどこを改善すべきかが確認できます。
アクティビティ詳細における表示例
アクティビティ詳細のページでは、アクティビティグラフにおいてターゲットゾーンがわかりやすく表示されます。
ターゲットゾーンのハイライト
1つ1つのパズルを埋めながら長期的な計画性へ
入力済ワークアウトは継続的に使用することで最大の効果を発揮します。実施頻度が多いような「お気に入りのセッション」を使い回すためにユーザーごとの個人用ライブラリを作成して、事前にプランを立て、予測指標を確認することをオススメします。ワークアウトの作成 ⇒ ワークアウト完了 ⇒ ワークアウト分析までを順序良く進めて随時に適切な判断を下し、必要に応じてプランを微調整したり修正することができます。