マラソンを完走することはそれ自体が大きな成果ですが、3時間の壁を破ることは、多くのランナーが何年もかけて目指す重要なマイルストーンです。そのためには、身体の準備や精神的な強さ、そして戦略的な計画が不可欠です。このガイドでは、トレーニング、健康的なライフスタイルの選択、ペース配分、モチベーション、そしてレース当日の戦略に焦点を当て、サブ3の達成に役立つ重要なステップを概説します。
1.トレーニング計画を立てる
マラソンの目標達成には、適切に構成されたトレーニング計画を立てることが不可欠です。以下の手順で始めましょう。
- 現在のフィットネスレベル評価: 開始前に、現在のフィットネスレベルを評価しましょう。これにより、現実的な目標を設定し、自分のニーズに合った計画を立てることができます。サブ3は決して容易な目標ではありません。自分の現在地と、達成のためにどれだけの向上が必要かを把握することが重要なカギとなります。
- スケジュール設定: 一般的なトレーニング計画は12〜20週間(3〜5ヶ月)ですが、サブ3達成にはそれ以上の期間が必要です。このレベルの持久力を築くには、何年にもわたる継続的なトレーニングが欠かせません。現在のフィットネスレベル評価後に、中間目標を設定すると良いでしょう。例えば、自己ベストが3時間30分の場合、まずはサブ3時間15分を中間目標として設定します。そうすることで、進捗を確認しながら計画を調整できます。
- トレーニングプログラムの選択:COROSは、マラソンランナーの目標達成に向けて複数のトレーニングプログラムを提供しています。トレーニングスケジュールには、様々な期間やレベルのプランが用意されています。すでに3時間の壁に近づいているランナーは2:45‐3:00のためのマラソンプランを検討するとよいでしょう。サブ3までまだ少し距離があるランナーには、まず3:15切りのためのトレーニングプランから始めることをおすすめします。長期的目標を持つマラソンランナーにとって、複数のプランを段階的に進むというのはよくあることです。
- モニタリングと調整:COROSウォッチのデータを見ながらパフォーマンスをモニタリングし、必要な調整を行います。ベースフィットネス、トレーニング負荷、リカバリーなどの指標を追跡して、計画通りに進んでいるか確認しましょう。
コーチからのアドバイス:個々のトレーニングニーズに合わせて、特定のトレーニング計画を必要とするランナーもいます。COROSコーチングチームは、これまで数え切れないほどのランナーをサポートしてきました。プランの選び方や、自分のニーズに合わせたカスタマイズ方法について、無料アドバイスを求める場合は coach@coros.com までメールをお送りください!
一般的なマラソントレーニング
以下は、マラソントレーニング中によく行われるワークアウトです。
- ベースラン:有酸素持久力ゾーン(ゾーン2)の強度で行う、標準的でキツくないランニングです。一部のベースランには流しも含まれます。ベースランは、オーバーペースにならずに持久力と効率を高めることを目的としています。
- テンポ走:有酸素パワーゾーン(ゾーン3)で長時間一定の負荷をかけ続けるワークアウトです。プランによっては最長で約11kmにおよぶこともあり、このレベルのランナーにとっては、マラソンペースと同等の強度となります。
- ロングラン:ロングランは週間で最も長い距離を走るトレーニングであり、しばしばハードなセッションとしての役割も兼ねます。多くのロングランでは、マラソンペースでの長時間の走行が組み込まれています。これはマラソンに特化した最も実践的なトレーニングといえます。なぜなら、マラソンのレース本番と同様に、ロングランのトレーニングでも約16km以上走った後でも依然、マラソンペースを維持して走ることが求められるからです。
- インターバル走:インターバルとは、高強度のランニングを休憩を挟んで繰り返すトレーニングです。マラソントレーニングでは、休息は立ったままではなく、ゾーン1または2の強度でジョグをして繋ぐことが一般的です。インターバルの強度は、マラソンペースから閾値ペース(ゾーン4)までの範囲になります。

サブ3マラソンランナーの週間トレーニングの例。インターバル走(月)ベースラン(火〜土)ロングラン(日)が含まれる。
2.マラソンペースを把握する
ペース配分は、マラソン目標を達成するために非常に重要です。3時間以内にフィニッシュするには、平均ペースが1kmあたり4分15秒またはそれより速く走る必要があります。この平均ペースは「マラソンペース」と呼ばれ、知っておくべき重要な数値です。
サブ3を目指すランナーにとって、マラソンペースはゾーン3の強度に該当します。経験豊富なマラソンランナーは、これが4時間以上の目標とは異なる点に気づくかもしれません。これは、3時間維持できる強度と4時間維持できる強度が異なるためです。マラソンのタイムが速いほど、マラソンペースは閾値ペース(ゾーン4)に近づきます。ペース配分の詳細については、ぜひCOROSコーチングチームのペース戦略ガイドをご覧ください。

2時間59分のマラソンランナーのマラソンペース(4:15/km)は有酸素パワーゾーン(ゾーン3)に位置する。
トレーニング中にマラソンペースのランニングを頻繁に練習することが重要であるため、COROSのトレーニングプランでは、このペースをプラン全体の複数のワークアウトに組み込んでいます。マラソンペースでワークアウトを完了することで、42.195kmをそのペースで走るために必要な能力が徐々に身につき、同時にそのペースを維持できるという自信も大きく高まります。
多くのレースでは、おもな目標タイム(3時間など)に合わせた公認のペーサーが配置されることもあります。出場するレースを事前に調べて、ペーサーがいるかどうか確認することをおすすめします。
3.自身の進捗状況を把握する
モチベーションを維持して明確な目標を設定することは、トレーニングを順調に進めるために不可欠です。最終的な目標は明確(サブ3)ですが、その過程で進捗を追跡するためのより小さな目標も持つべきです。
COROSは進捗を把握する多くの方法を提供しており、トレーニングプランには各段階に組み込まれた目標があります。例えば、カレンダーページでは、手動入力、またはプランやワークアウトを同期してカレンダーにメニューが入っている状態で、今後の予測ベースフィットネスとトレーニング負荷が表示され、フィットネスの進捗が把握できます。また、COROSは1回ごとのセッションごとの数値を記録し、各トレーニング内で目標を達成しているかどうかが確認できます。

COROS Training Hubのトレーニングプラン。今後のベースフィットネス、負荷比率、各週のトレーニング負荷が表示される。
トレーニング中は定期的にトレーニング指標をチェックし、進捗状況を確認することが重要です。COROS EvoLabシステムは、マラソンサブ3に向けた進捗状況を示す複数の指標を提供します。

質の高い20週間のトレーニング期間におけるVO₂max、ベースフィットネス、ランニングレベル、閾値ペースの変化。
- VO₂max:これは有酸素能力の指標です。「O₂」は酸素(Oxygen)の略で、持続的な有酸素エネルギーの源です。VO₂maxが高いほど、筋肉に多くの酸素を供給でき、持続的なエネルギー供給量が多いことを意味します。VO₂maxはほぼすべてのトレーニングに影響されますが、特にベースランとロングランはこの指標に重点を置いています。
- ベースフィットネス:どれだけのトレーニング負荷に耐えられるかを示す指標です。ベースフィットネスが70の場合、身体は70のトレーニング負荷に耐え、容易に回復できることを意味します。ワークアウトによっては、ベースフィットネスをはるかに上回るトレーニング負荷(例えば150)がかかる場合があり、そのようなセッションの後は、追加の回復時間が必要になります。
- ランニングレベル:ベースフィットネスに似ていますが、ランニングフィットネスはトレーニング負荷ではなく走行ペースに関係します。体調が整って同じ努力感でより速く走れるようになると、ペースゾーンが調整され、ランニングフィットネスの数値が向上します。この指標を確認することは、自分の進捗状況を知るために重要です。3時間でマラソンを完走した人のランニングフィットネススコアは通常、男性で92、女性で96です。ただし、この数値には個人差があり、マラソンのパフォーマンスに直接結びつくものではありません。そのため、必ずしも目指すべき数値とはいえません。
- 閾値ペース:ランニングフィットネスと同様に、閾値ペースも体調の向上に伴って調整されます。このペースは急速に疲労し始めるポイントであり、マラソンランナーは通常このラインを超えないようにします。しかし、閾値ペースの向上は、一般的にマラソンペースの向上と一致するため、依然として進歩の良い指標となります。

ランニングレベルスコアはマラソンタイムに比例する。
モチベーションを維持するために、トレーニングの道のりを、支えてくれる家族や友人と共有しましょう。目標や全体的な進捗について頻繁に話し合うことで、トレーニング期間中、責任感を持つことができます。さらに、トレーニングパートナーがいれば、互いに励まし合いながら取り組むことができます。ぜひ、一緒に走る仲間をランニングに誘ってみてください!
4.走ることだけがすべてではない
トレーニングとは、体がより良くなるために必要なツールやトレーニング刺激を与えることです。様々なランニングはトレーニングの大きな部分を占めますが、ワークアウトが終わっても終わりではありません。トレーニング中に体を消耗させてしまったら、その後はより強く回復させる必要があります。走っていない時の行いは、体の回復力に大きな影響を与えます。
- 睡眠:毎晩8〜9時間の睡眠を優先してください。トレーニング効果を最大限に引き出すには、睡眠が不可欠です。レム睡眠段階は、身体が最も適応し、回復を行う時間です。この段階は睡眠の7、8、9時間目に最も活発になるため、トレーニングのこの重要な部分を見逃さないでください。COROSウォッチを装着して就寝すると、睡眠の質と睡眠時間を追跡します。
- ストレス管理: 瞑想、ヨガ、リラックスできる趣味など、ストレスを軽減できる方法を取り入れましょう。他のすべてを正しく行っていても、ストレスレベルが高いとトレーニングと回復に悪影響を及ぼす可能性があります。

COROSウォッチにはストレス数値を日中記録する機能があり、ストレス分析が容易に。
5.メンタル準備
マラソンを走ることは、肉体的な挑戦であると同時に、精神的な挑戦でもあります。レース当日の厳しい状況に備えて、心の準備を整えましょう。
- ビジュアライゼーション:マラソンを完走する自分の姿をイメージしましょう。スタート、中間点、厳しい終盤、そして3時間以内にフィニッシュラインを越える姿を想像してみてください。レース当日の様子を知るために、事前にコースを予習しておくのも効果的です。
- セルフトーク:レース中の辛い瞬間に繰り返し唱えるポジティブなマントラを作りましょう。「私は強い」「私ならできる」といった言葉は、精神を高揚させてくれます。ワークアウトでも必ず実践しましょう。トレーニング中に自信がつき、レース当日もポジティブな気持ちを保つことができます。
- レースの細分化: マラソンを頭の中で小さな区間(例えば、各8kmなど)に分割します。レース全体ではなく、各区間の完走に集中します。1つの区間がうまくいかなくても、次の区間に進みやすくなり気持ちをリセットできます。
- 自信を持つ:信じる力は、あまりにも過小評価されているツールです。目標に到達できると信じているランナーは、目標を達成する可能性がはるかに高くなります。これまでの過程はすべてCOROSアプリに記録されるので、これまでの道のりを簡単に振り返ることができます。それは、努力が報われること、そして自分がどれほど十分に準備できているかを思い出させてくれる素晴らしい証となります。
6.レース当日の戦略
レース当日は、以下のヒントに従って、サブ3達成の軌道を維持しましょう。
- バーチャルペーサーの設定: GPSウォッチを使用してペースを監視します。COROSのバーチャルペーサー機能は、不要なアラームなしに、目標ペースよりどれだけ進んでいるか、遅れているかを把握するのに役立ちます。
- ウォームアップ: パフォーマンスを発揮する前に、血行を促進し、筋肉を準備させることが常に最善です。COROSは、動的ウォームアップのルーティーンと短いジョグを推奨しています。
- 落ち着いてスタート: 速くスタートしすぎたい衝動を抑えましょう。計画したペースを守り、スタートの興奮に流されないようにしてください。42.195km全てを完全に均一なマラソンペースで走れるわけではありません。速い部分もあれば、遅い部分もあるでしょう。レース後半で精神的な課題に直面したとき、早い段階でペース以上に飛ばしていると、それが災いする可能性があります。その時にペースが落ちていると、困難を乗り越えるのがさらに難しくなります。もし好調でその時点でペースが上がっているなら、精神的にずっと楽に感じられます。
- 前向きな姿勢を保つ: 特に終盤の数kmでは、前向きな考え方を維持しましょう。自分のトレーニングとこれまで注いできた努力を思い出してください。
上記の6つのポイントに従い、トレーニングへのコミットメントを続けることで、サブ3達成への道を順調に進むことができるでしょう。一貫性と忍耐が鍵であることを忘れないでください。プロセスを信じ、自分を信じ、この素晴らしいマイルストーンへの旅を楽しんでください!
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