一貫してトレーニングをすることが、競技力向上への最も効果的な方法です。しかし、一貫性は体調を維持してこそ効果を発揮します。怪我をしたり疲れ果ててしまったら、トレーニングの一貫性を保つことは簡単ではありません。しかし、怪我のリスクを大幅に減らすための多くの原則、戦略、行動があり、今回の記事では怪我やオーバートレーニングの予防に役立つ、COROSデバイスの明確で実用的なデータをご紹介します。
以下では、COROSにおける5つの重要な指標を紹介していきますが、パフォーマンス向上のためのヒントを学んでいきましょう。
1. 安静時心拍数
安静時心拍数は、安静時の1分間あたりの心拍数です。これは、一般的なフィットネスや回復力の良い指標となり、また病気の時にも参考になる数値です。
睡眠統計では、心拍数データが範囲(例:52~75)と夜間の平均(例:65)として表示されます。これらの値が安静時心拍数の計算に使用されます。
安静時心拍数には個人差があり、自分に合った範囲内で安定している必要があります。直近30日間の平均値と比較して安静時心拍数に大きな変化(特に上昇)が見られる場合は、病気や風邪、あるいは怪我の治癒など体を修復させている傾向が強い可能性があります。その場合、その日は練習を削るか軽めにしておくべきでしょう。
例えば、月間平均心拍数が47bpmの人が、安静時心拍数が52bpmを超えて(約10%増加して)いれば、就寝時に練習予定を変更を考えた方が良いかもしれません。
2. 心拍変動(HRV)
心拍変動はミリ秒(ms)単位で測定され、心拍間の時間を表します。COROSはこれを夜間の平均心拍変動として測定します。
心拍変動は個人差が大きいため、他の人と比較するのは避けましょう。例えば、安静時心拍数が41bpm未満のアスリートを対象とした大規模な調査では、心拍変動が37msから139msまでの広範囲に及ぶことが確認されています。
COROSアプリのホームにある心拍変動の評価
緑色の範囲は正常で良い状態を示しています。心拍変動の安定性が高い(日々の変動が少ない)ということは、一般的にトレーニング負荷に対する良好な耐性と高いフィットネスレベルを反映しています。十分な睡眠と規則的な生活、全般的なストレスの軽減、フィットネスや食事の改善といった良い習慣を身につけば、心拍変動の長期的な傾向や上昇が見られることがあります。
安静時心拍数と同様に、心拍変動が通常範囲から大きく外れている場合(特に低い場合)、それは過度に疲労している、または病気であったり、オーバートレーニング / 回復不足の兆候を示しています。
心拍変動で長期的な傾向を確認することも重要です。COROSアプリで「月」のタブを選択すると、推移が簡単に確認できます。正常範囲を下回る値が多数見られたり、下降傾向がある場合は、トレーニングと回復戦略を見直す価値があるかもしれません。
アプリ上でHRVが下降傾向を示しています。正常範囲を下回る傾向は対処する価値があります.
3. 総睡眠時間
睡眠は最も強力な回復ツールです。COROSウォッチをつけたまま寝ると、睡眠時間を記録することができます。アスリートの場合、7~9時間の睡眠を継続的に必要としています。1、2日ほど睡眠不足が続いても大きな影響はありませんが、慢性的な睡眠不足がトレーニングの質を低下させ、怪我のリスクを高める可能性があります。
毎週の平均睡眠時間を記録し、回復時間が短くなりすぎる場合はトレーニング負荷を調整しましょう。
スケジュールに余裕があれば、昼寝を追加して睡眠時間を増やすことを検討してください。昼寝は30~90分を目安に、普段の就寝時間から8時間以内の昼寝は避けましょう。例えば、就寝時間が午後11時なら、昼寝は午後3時まで終わらせましょう。
4. トレーニング状態
この指標は、ある短期間に行う練習量(短期的負荷)と、普段の練習量(ベースフィットネス)を比較したもので、現在の練習量が通常の練習量と比べてどれぐらい多いか、少ないかなどを確認するのに最適です。短期的負荷がベースフィットネスに比べて急激に上昇すると、怪我やオーバートレーニングのリスクが高まります。
ベースフィットネスに対する短期的負荷は、チームスポーツやフィールドスポーツでよく研究される概念に似ています。十分な基礎体力がない状態で練習量を急激に増やすと、怪我のリスクが高まります。これらのグラフにおける指標や推移はあくまで参考値であり、全てが正しいものではありませんが、トレーニングの原則に適応させる時には参考になるものです。まずは、練習に慣れていない時期にはやり過ぎないようにしましょう。ベース作りのランニングで一杯一杯であれば、1週間にそこまで練習量を増やすべきではありません。
5. ランニングフォームテスト
COROSウォッチには、ランニングフォームテストの機能がありますCOROS POD 2を使って5分間のこのテストを行うと、スキル、筋力、バランスを分析することができます。各要素は怪我のリスク軽減と関連しており、詳細は以下をご参照ください。
例えば、左右の脚の左右差をみる「バランス」という項目を考えてみましょう。左右差のずれは、怪我をする前に過負荷を特定するのに役立ちます。例えば、あるアスリートは、ハムストリングを痛めてからハムストリングの筋力バランスが崩れる傾向を示しました。この影響はその後3ヶ月かけて拡大し、最終的に怪我へと繋がったのです。しかし、バランスなどの現状を把握することができれば、怪我のリスクを軽減するための対策が行えます。
5つの指標を組み合わせて活用しよう
これらの指標はそれぞれ価値がありますが、パフォーマンスを管理して怪我のリスクを減らす最善の方法は、日々の体調と合わせてこれらを総合的に評価することです。洞察を深めるために、ぜひ以下の戦略を行ってみてください。
毎日:
- COROSデバイスからのデータ(睡眠時間、安静時心拍数、心拍変動)を活用して、練習量や強度を調整しましょう。正常範囲内であれば、計画通りに続けましょう。正常範囲から大きく外れている場合は、練習量や強度を減らすことを検討しましょう。
- 自分の体調をチェックし、デバイスのデータと合わせて活用しましょう。
毎週:
- 週ごとの総睡眠時間とトレーニング状態を確認してください。翌週に向けて調整が必要な場合(負荷や強度の追加または削減)、必要に応じてプランの調整を検討しましょう。
毎月:
- 月間平均睡眠時間を確認し、十分な睡眠が取れているか評価しましょう。
- ランニングフォームテストを追加して、フォーム、筋力、バランスのチェックを検討しましょう。この結果をこれまでのトレーニング全体と照らし合わせて分析し、数回のテストでの傾向を特定しましょう。

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