なぜCOROSを選んだのか
城西大学の櫛部静二監督が心拍数や血中酸素飽和度へ着目したのは現役時代の経験からです。日本のトップランナーとして競技を続ける中、指導者の経験だけに基づく「走行距離」と「タイム」のみがトレーニングの指標となることに早くから疑問を持っており、アメリカやエチオピアでの高地トレーニングの経験からそれを明確に意識するようになったと話します。
「私は高地に行くと、日本の低地では絶対に負けない選手に後れを取ることが多々ありました。それは高地環境では他の選手よりその影響を受けやすく、血中酸素飽和度が大きく低下し、心拍数が高くなる傾向があるためです。当時からそれらの数値は生理学的な指標として知られていましたが、今とは違い、測定するデバイスは手軽に使えるものではありませんでした。ただなんとかしてそうしたデータを手に入れ、適切な負荷でトレーニングを最適化できないかと考えるようになったのです」
心拍数や血中酸素飽和度が適切な値の範囲外となる強度では、望む効果が得られなかったり、オーバーワークにつながり、故障や体調不良を招く可能性があります。櫛部監督はその後、城西大学で指導者になり、心拍数や血中酸素飽和度を強度の指標として取り入れるための試行錯誤を始め、様々なデバイスを試した末にCOROSに行き着きました。

「COROSはランニングに特化したデバイスで信頼性が高いと感じました。そのデータ分析ツール“Training Hub”にはペースと心拍数の両方に対して6つのゾーンが表示されて、トレーニングの強度が適切に可視化されます。情報が正確なことはもちろん、軽くて、1回の充電でとても長持ちすることも気に入っています。私自身は現役時代、感覚だけで走ることが多かったのですが、COROSを身につけることで自分の体の状態を知ることができ、楽しく走れるようになりました」
城西大学の選手たちもGPSによる正確な距離や心拍数をリアルタイムで知ることができ、適切な負荷でのトレーニングを行う意識が増しています。
低酸素トレーニングでは様々な変数で強度を管理
城西大学での指導の特徴は低酸素トレーニングを重視しているところにあります。低酸素環境への順応は選手によって個人差があり、COROSでの計測は必須です。
「低酸素環境下では同じベストタイムの選手同士でも反応に個人差が出やすく、同じトレーニングでも強度設定は慎重に行わなければなりません。そしてそれは低酸素トレーニングだけに言える話ではなく、トラックやロードでのトレーニングでも同じことです。自分のデータを蓄積していき、強みと課題を把握したうえで、強みを伸ばし、課題を改善していく方法を探るようにしています。COROSがあることで他人との比較ではなく、自分にあった最適なトレーニングに近づけます」
日本の長距離界では目標タイムを設定すると、その結果を出したことのある選手のトレーニング事例を参考にしたり、選手の現在の持ちタイムと練習内容をもとに、その延長線を推測したうえで練習強度が決められることが多くありますが、櫛部監督はその風潮に風穴を開けたいと話します。そのために低酸素トレーニング×COROSで先端トレーニングを開拓することに意欲を燃やしています。

「トレーニングには必ず目的があり、養いたい能力を向上させるために変数を組み合わせたメニューを立案します。それは走行距離、強度、頻度、期間、トレーニングをする標高などです。気象条件、栄養、睡眠、ケアなどリカバリー要素も考えれば、考慮すべき項目は多岐にわたります。その追求に際限はなく、誰にでも当てはまる正解はありません。ただ科学的に見て推奨できる情報は確実に存在するはずです。そうした情報を得るためにモニタリングしながら選手ごとの情報を蓄積していくことが重要なのです。それをCOROSは可能にしてくれます」
城西大学では低酸素トレーニングだけでも、標高(酸素濃度)、走行距離、ペース、トレッドミルの傾斜、休息時間に加え、気温、湿度を調節し、トレーニングプログラムの強度を決定しますが、選手ごとに運動中の心拍数の血中酸素濃度も計測して評価しています。正確な情報があってこそ適切なトレーニング強度が決められるため、その計測にCOROSは貢献しているのです。
リアルタイムに指導者が可視化できるシステムを構築中
COROSによる6つのペースゾーンはリカバリー(低強度)、有酸素持久力ゾーン(低強度)、有酸素パワーゾーン(中強度)、乳酸性閾値ゾーン(中強度)、無酸素持久力ゾーン(高強度)、無酸素パワーゾーン(高強度)。これらのゾーン自体は一般的な強度区分ですが、トラック、ロードだけでなく、トレッドミルや低酸素環境においてもペース計測の安定性が高い点が特徴です。そのため、各ゾーンでどれだけ走ったかを正確に把握でき、ターゲットとするレースに応じてトレーニング強度を調整しやすくなります。1区間がハーフマラソンに近い距離で行われる駅伝に対しては、低強度から中強度でのトレーニングの割合を多くし、トレーニングに励んでいます。
そして城西大学ではCOROSの使い方をさらに進化させるため、新たな仕組みを構築中です。
「低酸素室のトレッドミル前方に設置しているモニターにTraining Hubの情報をリアルタイムに掲示できるように、COROSと共にシステムを開発中です。選手も走りながら情報を確認できますし、指導者も選手の状態を把握し、必要であれば強度を柔軟に変更できます。実現すればデータが可視化でき、新たなパフォーマンスアップのヒントが得られると思っています。」
COROSをパートナーとして新たなトレーニングのスタンダードをつくる。それが櫛部監督の大きなモチベーションとなっています。


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