2024年にオリンピックと世界トライアスロンシリーズを制したトライアスリートのアレックス・イーが、新たな領域に挑み、今年の4月に故郷ロンドンの街でマラソンデビューを迎えます。スイム・バイク・ランの3種目を極めたアスリートが、「ラン」に焦点を定めて強化を行なっていますが、トライアスリートとしてはトップレベルの走力をさらに進化させるためです。
▷ ロンドンマラソンに向けた"トライアスリート"のトレーニング法
▷ マラソンのための"クロストレーニング"の活用法
を大公開!
アレックス・イーの愛用アイテム
デバイス:COROS心拍センサー&COROS PACE Pro
サービス:COROS Training Hub
なぜロンドンマラソンへの挑戦を決意したのか?
オリンピックと世界トライアスロンシリーズの二冠を達成した2024年からのさらなる飛躍を目指すアレックス・イーは、このタイミングで初めてのマラソンに挑戦する理由を語りました。
「マラソンには以前から挑戦したいと思っていました。この距離に特別な魅力を感じるんです。今がちょうど良いタイミング。新しい刺激を得て、モチベーションを高めるのに最適です。何よりも、故郷の街を走るということ以上にやる気が湧いてきています」
トライアスリートとしてはトップレベルの走力を持つアレックスですが、自身の成長の余地についてこう語ります。
「私はまだ完璧なトライアスリートではありません。パリ五輪に向けては、改善が必要な課題の克服に多くの時間を費やしてきました。2028年ロサンゼルス五輪までの数年間で、トライアスロンの全ての分野においてどれだけ成長できるかを試したいんです。COROSと共にトレーニングデータを分析することで、改善すべき様々なポイントが明確になりました。今はキャリアの中でとてもエキサイティングな時期なんです」
マラソンに向けた強固な土台づくり
トライアスリートとして、アレックス・イーは複数の種目にわたる長時間トレーニングに慣れていますが、このアプローチはマラソンの準備にもうまく適合しています。現在では、水泳とサイクリングは週間ルーティンの一部として残しつつも、ランニングに特化したトレーニングに比重を移しています。
このクロストレーニングのアプローチにより、アレックスは有酸素能力の土台を着実に構築。マラソン練習というものが、誰にとっても同じでないということを証明しています。彼の目標は、テーパリング(調整)の時期に入るまで「ベースフィットネス」を向上させ続け、ピークパフォーマンスに備えることです。
「2025年の最初の時期は少し波がありましたが、データが正しい方向に進んでいるのを確認できると心強くなります。自分の身体でその反応を理解していますが、数字として改善の推移が確認できることで、正しい道を進んでいることが再確認できます」
COROSポイント①:ベースフィットネスとは?
ベースフィットネスは、直近42日間のトレーニング負荷の平均であり、有酸素能力の状態を反映する指標です。この指標を通じて、アスリートは自身のトレーニングの進捗を中長期的に把握することができます。
マラソントレーニングにおける心拍数の重要性
エリートレベルのマラソンランナーは閾値のペース付近でレースを走ることもあって、アレックス・イーのトレーニングにおいて心拍数は重要な指標となっています。彼は重要な練習において、心拍数を入念にモニタリングして効率的なトレーニングを実践しています。
「心拍数はトレーニングのあらゆるピースの確認に適している指標です。そして、走行中の自分の感覚と照らし合わせて確認することで、身体がどの程度の負荷に適応しているかが理解できます。COROS心拍センサーは、この「感覚と指標のすり合わせ」をより精度の高い信頼できる段階に導いてくれました」
アレックスの閾値心拍数は172-184bpmですが、閾値ペースは3:02/kmの辺りのペースだとデータは推定しています。そして、彼のデータに基づいたマラソンの予想記録は2時間08分前後。これは彼自身が達成可能だと考えている目標タイムと一致しています。
「2時間07分から2時間10分の間で走れたらと思っています。未知の領域に挑戦するので何が起こるか分かりませんが、ベストを尽くしたいと思います」
アレックス・イーのマラソン練習:30kmビルドアップ走
アレックスのトレーニングの中核をなすのが、マラソンに特化したロングランです。特に注目すべきは、30kmのビルドアップ走(平均ペース3:07/km)でした。
「こんなに長いセッションを楽しんています。これまでは(トライアスロンのランの競技距離が10kmということもあって)、2km×6本のインターバルが最も多いボリュームのワークアウトでしたが、今では30km走をするようになりました。これは、大きな飛躍ですが身体は順調に適応しています。何より、この挑戦が楽しいんです」
この練習の目的は、レース本番の状況を再現することです。ロンドンマラソンのスタート時間の9時35分に合わせて開始し、最初の5kmを17分21秒(心拍数143bpm)で余裕を持って走り出しました。そして、その後の20kmは平均3:04/kmとレースペース付近のペースで走行し、中盤以降で心拍数が172bpm(閾値付近)に到達しています。
30km走の最後の5kmは、彼の閾値ペースの上限である14分50秒(平均2:58/km)までペースアップして、この5kmの平均心拍は177bpmでした。このビルドアップでの30km走で、レースの終盤にかけてのスパートへの準備と、長距離への精神面の克服を達成しています。
COROSポイント②:ビルドアップ走の効果は?
ビルドアップ走は、持久力の向上やペース配分の技術習得、レース本番に向けたメンタルの強化に効果的なトレーニングです。
アレックス・イーが説くマラソンランナーのための4つのポイント
トップアスリートのトレーニング方法は、すべてのレベルのランナーに役立つヒントが詰まっています。アレックスのアプローチから学べる重要なポイントを以下に紹介します:
1、複数の運動で総合的な体力を構築
サイクリングや水泳などクロストレーニングを取り入れることで、持久力を総合的に高められる
2、正確な心拍データを基にした強度管理
心拍数をモニタリングすることで、最適なトレーニング強度を維持
3、レース本番を想定した特異的なトレーニング
ロングランやマラソンのレースペース走で、身体面と精神面の両方の準備
4、新たな挑戦でモチベーションを持続
変化をつけることで、中長期目標に向けたトレーニングを持続可能に
良いツールと構造化されたトレーニング計画があれば、マラソン成功への道が開けます。COROSの製品とCOROSのトレーニングプランが、あなたのランニングライフをサポートします!