COROSウォッチを付けると、トレーニングを重ねるほどデータが豊富で価値あるものになっていくことに気付くでしょう!COROS EvoLabシステムがバックグラウンドで作動し、トレーニングに応じてフィットネス指標が更新されます。ランニングのたびにデータを収集して、分析の精度を高めていきます。しかし、トレーニングは常に順調に進むとは限らず、実際のフィットネスの状態から指標が乖離することも時にはあります。COROSのランニングフィットネステスト機能は、このズレをリセットするものです。構造化された単一のセッションでEvoLabのデータ指標を現在のパフォーマンスに即時更新し、トレーニングの正確性や目的意識、効率性を維持します。
COROSウォッチを使い始めたばかりの方、故障やオフなど休止期間からの復帰時、閾値のゾーンがワークアウトの内容と合っていない感じる場合でも、このテストが明確な指針を提供し、よりスマートなトレーニングを実現します。
ランニングレベルテストとは?
このテストは、ランニング能力を評価して「ランニングフィットネス」「強度ゾーン」「レース予測」などの主要なEvoLabのデータ指標を更新するための構造化されたトレーニングです。テスト実施時は、アクティビティメニュー(通常はウォッチの「ランニング」や「筋力トレーニング」)から「フィットネステスト」を選択してください。
異なる強度における心拍数とペースの相関関係を分析することで、ランニングフィットネスを評価します。現在のフィットネスレベルにトレーニングデータを同期させ、トレーニング不足や過負荷を防ぎます。最初に直近の10kmランの最高記録を入力します。記録がない場合は、控えめな予測値を入力してください。テストは約40分間で、複数のステージで構成されます:
時間 | ステップ | 説明 |
---|---|---|
5分 | ウォームアップ | 自由に身体を温めてください。 |
25分 | マラソンペース | この強度はペースと心拍数の最適な関係を判定する理想の強度です。EvoLabはこのステージの定常状態のデータから閾値を判定します。 |
3分 | ~10kmペース | 心拍数を直線的に上昇させる短縮版の負荷漸増テストを開始します。 |
3分 | ~5kmペース | 前ステージを継続し、ペースをわずかに加速します。心拍数を予備心拍数の90%以上にさせます。 |
3分 | やや速いペース (任意) | 心拍数が依然<予備心拍数の90%の場合、この第4ステージ(最終の負荷漸増段階)を完了することが必要です。 |
5分 | クールダウン | 自由にリラックスしてください。 |
注:
このテストは連続での実施が必須であり、ステージ間に休憩はありません。終了時にはレース直後のキツい感覚がある状態が理想です。3分間のステージでテストを完走できない場合、最大心拍数は計測されません。ただし、25分間のセクションを完了していれば、閾値ペースと閾値心拍数の結果が取得できます。
テスト結果の評価方法
テスト終了後、すぐの新たな閾値ペースや閾値心拍数、最大心拍数が表示されます。その後、アプリと同期すると、EvoLabが自動的にこれらの結果を関連するデータ指標に適応します。
以下の項目が更新されます:
● ランニングレベルのスコア
● レース予測値
● 閾値ペースゾーン
● 閾値心拍数ゾーン
ペースや心拍数ゾーンの更新に伴い、カレンダー上の今後のワークアウトは自動調整され、最新のフィットネス状態に最適化されます。
注:
ゾーンを更新する際、COROSは過去のアクティビティデータを変更しません。各アクティビティデータは常にその当日のゾーン設定を表示するため、適切なところでセッションごとのデータが確認できます。
コーチからのアドバイス
ランニングレベルテストにおけるおもな3つのステージ
COROSのランニングレベルテストの精度と価値を最大化するには、準備がカギとなります。この強力なツールを最大限活用するため、以下のポイントに従ってください:
- 適切な地形の選択:芝生や土の路面は速度低下やデータ誤差の原因となるため、平坦な路面かトラックで実施してペースと心拍数のバラつきを防止。
- 十分な休憩:テストをレース本番と同様に扱い、前日は高強度トレーニングを回避して万全の状態で臨む。同様にテスト終了後の数日間は回復を優先。
- 挑戦を受け入れる:テストは正確なデータ取得のために限界を引き上げます。過酷に感じても、完全に出し切ることで得られる洞察は努力に見合う価値があります。
- ウォッチの正しい装着:正確な心拍計測のためCOROSウォッチをしっかりと締めて装着。腕用の心拍センサーの使用が更に効果的。
- 定期的な進捗追跡:12~16週間ごとにテストを繰り返し、改善をモニタリングしてトレーニングゾーンを更新。
- 安静時心拍数の計測:より正確な計算を確保するため、テスト前の数日間は睡眠時にウォッチを装着し安静時心拍数を記録。
- 注意すべき落とし穴:結果の有効性が損なわれるため、テスト中やステージ間の中断は厳禁。強度維持が不可能な場合、停止してください(その時点でテスト終了)。
プロランナーのケーススタディ
リソースが限られたエリートランナー(兼セルフコーチ)として、トレーニング進捗の追跡にランニングレベルテストを活用。状態が良くない時期とトラックシーズン直前の2回実施しました。
第1回 - 2025年1月29日
故障後のトレーニング計画策定において、このテストは回復進捗の評価に貢献しました。初回のテストは過酷を極めました。:3:34/kmで25分間を気持ちよく維持した後、3:18/kmで3分間継続し、最終的に2:48-3:00/kmのペースで3分間疾走して最大心拍数へ到達しました。テスト終了後は膝に手を当ててヘトヘトになりました。故障前の閾値ペースは3:10/kmでしたが、今回は3:20/kmに調整され、現実を把握できる結果ながらフィットネスレベルを正確に反映しました。現代のトレーニングにおいて控えめで賢明な練習量が肝であり、このテストで過信を戒められたことに気づいています。
第2回 - 2025年5月7日
4ヶ月後に再度テストへ挑戦し、今回はコンディションが大幅に向上してトラックで実施(ペース管理は容易でしたが周回数が非常に多かった!)。初回のテストと同様に10kmの予想タイムを30-32分で入力し、閾値心拍数やペース判定用の最初の25分間は3:25/kmと余裕を感じられました。次の3分間は3:18/kmで楽々と突破できましたが、その後の2:58/kmでの3分間は過酷でした。初回のテストでは目標心拍数に到達して自動終了しましたが、今回は心拍数上昇が不十分で、オプションの追加ステージが提示されました。疲労の限界で計画通り停止した後、閾値ペースが3:15/kmに更新され、体感と完全に一致したフィットネスの向上が正確に反映されてました。
成長が実感できるテスト
自己記録挑戦中のランナーも、ランニングを始めたばかりの人も、COROSのランニングレベルテストはより賢明なトレーニングへの指標となります。プロ選手として、このランニングレベルテストが2度にわたって私のアプローチを変えました。初めは現実を直視する契機となり、次は自信の源へと昇華していきました。ぜひテストを行なって自身のゾーンを確認し、そのデータを基に良いトレーニングを積み重ねていってください。