初心者も熟練者も、流し(ウインドスプリント)をトレーニングの中に組み込むことによって、より効果的にランニングの目標に近づくことができます。以下は、流しの実践方法についてご紹介します。


流し(ウインドスプリント)

英語でストライダーまたはピックアップとも呼ばれる「流し」とは、7-8割のスピード感で20-30秒程度サラッと流すようなランニングのことをいいます。流しはランナーにとって、ランニングエコノミー向上とフォーム改善に役立ち、より速いペースに備えるための準備練習として心にゆとりをもたらします。


どんな時に「流し」をすべきか?

● ジョグやトレーニングの最後に行う

● ジョグの途中に組み込むことでショートインターバルとして行う

● スピードトレーニング前のウォームアップで行う

● レース前のウォーミングアップで行う


「流し」は何本すべきか?

「流し」は1回の実施につき4-12回を繰り返し、1回ごとにリカバリーを取りましょう。例えば、20-30秒程度を8回行う流しをするなら、リカバリーは疾走時間と同じかそれよりも少し長めに取ります

例:

● 30秒×8本の流し(リカバリー30秒)

● 30秒×8本の流し(リカバリー60秒)

● トレーニングプランに流しを組み込む頻度は、ランニングの経験値やレベル、トレーニング目標などによって異なりますが、週に1-3回流しを行うと良いでしょう。


流し」はどこで走ればいいのか?

あなたがもしトレイルランナーでなければ、フラットコースで凸凹のない路面、例えばトラックなどで流しをするのが良いでしょう。流しはスプリント(全力走)ではありません。できるだけ速く走ろうとせず、徐々にペースを上げて、最後は流すようにスムーズに心地よく走り終えると良いでしょう。


以下に、流しを含んだトレーニング例を2つご紹介します:

ジョグ+ジョグ中に30秒×6本の流し(リカバリー30秒)

ジョグ+ジョグ後に30秒×4本の流し(リカバリー30秒)

COROS Training Hubで作成したメニュー【6kmジョグ+30秒×4本の流し(リカバリー30秒)】


「流し」を行うメリット

トレーニングプランに流しを組み込むことで、ランニングパフォーマンス全体を向上させることができます。

● 良いランニングフォームの獲得には流しの反復が役立ちます。短時間とはいえ、速く走ることでランナーはフォームやピッチ、ストライド、腕の振り、接地などに自然と意識が向くようになります。流しに継続的に取り組むことで、次第にランニングフォームが改善されてランニングエコノミーが向上します。

● トレーニング中に少し速いペースのランニングを組み込むことで、ストライドとピッチを向上させることができます。

● 流しは、イージーランからよりハードなトレーニングへの準備と捉えてください。心拍数を上げて、脚をより高負荷のトレーニングに対応させるようにしていくことで、故障のリスクを低減させることができます。

ストライドとピッチはTraining Hubのアクティビティデータページから確認できます。

コーチングインサイト

ランニングに取り組み始めたばかりの方だけでなく、中長期的なトレーニング期間の初期段階では、この流しの導入が効果的です。強度の高いトレーニングに移行する際にストレスを感じることはありません。トレーニング負荷が向上させていく段階で、スピードトレーニングの前には、徐々に流しの本数を増やしていきましょう。

週間トレーニング負荷


流しは、あくまでトレーニング方法の1つにすぎません。ジョグ、ロングラン、インターバル、筋トレ、リカバリーをバランスよく消化しましょう。

ご自身のパーソナルデータから専門的な分析を行いたい場合は、coach@coros.com までお気軽にメッセージをお寄せください!


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