あなたは日頃のトレーニングをどのように数値化していますか?どうやって計画を進めていきますか?故障予防はどのように行っていますか?COROS EvoLabにおける「トレーニング負荷」という数値は、これらの疑問を解消するための1つの大きな指標です。
EvoLabには、トレーニングのモニタリングやトレーニング指導に役立つ様々な指標がありますが、それらは全て「トレーニング負荷」という1つの指標に基づいています。あなたは日頃のトレーニングをどのように数値化していますか?どうやって計画を進めていきますか?故障予防はどのように行っていますか?COROS EvoLabにおける「トレーニング負荷」という数値は、これらの疑問を解消するための1つの大きな指標です。
EvoLabが提供するデータ指標の心臓部であるトレーニング負荷の数値について、以下で説明します。
トレーニング負荷とは?
COROS Training Hubのスケジュールページの各アクティビティには、それぞれのトレーニング負荷が表示されます
各アクティビティに表示されるトレーニング負荷(TL)の数値は、生理学的にどの程度のトレーニング刺激を身体にかかっているかを示します。トレーニング負荷の数値がが高いと、そのアクティビティがハードであったことを示します。
トレーニング負荷は、運動量(運動時間、運動距離など)と運動強度(心拍数、走行ペースなど)の実測値に基づき算出されます。運動量や運動強度を高くすることで、トレーニング負荷を高い数値にすることができます。
なぜ筋トレはトレーニング負荷のスコアが低いのでしょうか?
COROSはトレーニング負荷の算出にTRIMPの計算法を用いており、持久的運動(有酸素運動)に関しては高い精度を保ちます。しかし、筋トレやダッシュといった非有酸素運動(パワー系の運動)のトレーニング負荷を正確に算出できるものではありません。それでも、筋トレやダッシュ時の正確なトレーニング負荷を把握したい場合は、COROS 心拍センサーの装着をオススメします。
トレーニング負荷の実例
約60分間のジョギング(低強度・低負荷)
50分間のテンポ走(中強度、中負荷)
約150分間のロングラン(低強度、高負荷)
冒頭で述べたように、トレーニング負荷は運動量(運動時間、運動距離など)と運動強度(心拍数、走行ペースなど)に影響されます。上の3つの実例は、どのような種類の有酸素系トレーニングが、どのようなトレーニング負荷の数値になるかを示しています
- 約60分間のジョギングでの心拍数はゾーン1~2の範囲内です。この低強度運動ではトレーニング負荷の数値が99と、比較的低めの数値になります。
- 50分間のテンポ走での心拍数の大半はゾーン3~4で推移しています。この中強度運動ではトレーニング負荷の数値が199と、比較的中ぐらいの数値になります。
- 約150分間のロングランでの心拍数の大半はゾーン2ですが、2時間以上の運動時間ともあって長めのアクティビティです。この低強度運動ではトレーニング負荷の数値が295と、比較的高めの数値になります。
トレーニング負荷はどのアクティビティでも同じように計算されるのでしょうか?
運動時間の変数は似たようなものですが、運動強度の変数は様々です。ほとんどのアクティビティでは心拍数を強度指標として使用していますが、高強度のワークアウトでは、心拍数よりも走行ペースを信頼度の高い強度指標として使用しています。
トレーニング負荷に基づいた別の指標
COROS Training Hubで表示されるベースフィットネスと負荷インパクトの指標は、トレーニング負荷の数値に基づいて算出されています。
トレーニング負荷は各アクティビティの終了後に数値が算出されます。この数値はEvoLabにおいてトレーニング負荷の数値に基づいて算出されるベースフィットネスや負荷インパクトといった指標の根源となっています。
ベースフィットネス
- トレーニング負荷の直近6週間の平均値
- 中期的にフィットネスを把握するのに有効
- 負荷インパクト
- トレーニング負荷の直近1週間の平均値
- 短期的にフィットネスを把握するのに有効
持久系スポーツにおいて、トレーニング負荷をだんだんと増やしていくことが競技力向上の基礎となります。そのためのトレーニング計画の作り方を学ぶことができれば、トレーニング負荷以外の指標も有効活用することができます。
トレーニング負荷のモニタリング
COROSアプリにおいてのトレーニング負荷の推移を示したグラフ
1週間の終わりに、EvoLabはその週の全てのトレーニング負荷を合計して、週間のトレーニング負荷を記録します。この指標は、COROSアプリやTraining Hubでグラフなどを通じてより詳細に確認することができます。
グラフの背景にある細長い部分は、ユーザーのトレーニング負荷の推奨範囲を示しています。EvoLabは各ユーザーのトレーニングデータに基づいて、今後のトレーニング負荷の推奨範囲を教えてくれます。
なぜ7日間の平均値ではなく合計値なのでしょうか?
トレーニング負荷についての週間推移グラフは、トレーニング負荷を日常的にモニタリングすることと、長期的な展望をもたらしてくれます。トレーニング負荷は平均値を使用すると、トレーニング負荷の推移を簡単に把握することが難しくなるのと、トレーニングへの適応によってトレーニング負荷の変化がある性質上、合計値を使用するほうが合理的です。さらに、ほとんどの人が週単位でトレーニング計画を作成するため、週間のトレーニング負荷の推移や推奨範囲を確認することが役立ちます。
このようにトレーニング負荷という数値はランナーやサイクリスト、その他のスポーツの種類に関わらず、持久系のトレーニング負荷を数値化し、中長期的なトレーニング過程で身体にどれぐらいのトレーニング刺激がかかっているかを確認するために役立ちます。
Training Hubのデータ分析ページでは、閾値心拍ゾーン分布に基づいたトレーニングの消化割合が確認できます。
通常、トレーニング負荷は運動時間と心拍数といった運動強度の両方を算出のための参考データとして使用するため、閾値心拍ゾーン分布のグラフを見れば、その2つの指標を把握することができます。このグラフで、タブをトレーニング負荷に選択すると、EvoLabは指定された日程の範囲内で消化したアクティビティのトレーニング負荷の割合を表示します。
このグラフは時間の経過とともに運動強度をモニタリングし、適切な運動強度でトレーニングしているかどうかの確認に便利なツールです。例えば、5kmのレースに向けてトレーニングしているランナーは、ゾーン4(乳酸閾値付近の運動強度)の運動強度以上の比率が高まっていきますが、レースから離れた時期の基礎構築期では上のグラフのように、基礎づくりのためにゾーン1~2の運動強度の消化状況が多くなるはずです。
トレーニング負荷を考慮してトレーニング計画をどう構築していくのか?
今後のトレーニングメニューを入力すると、Training Hubのスケジュールページ上部に今後のトレーニング負荷の予測推移が表示される。
トレーニング負荷の数値が各アクティビティのハードさを数値化することを考えれば、トレーニング計画を進めていく上でフィットネスと疲労の関係性の推移も予測もできます。事前にTraining Hubで練習のスケジュールを入力すると、各アクティビティのトレーニング負荷の予測値と、週間トレーニング負荷の予測値やその推移をグラフを通じて確認できます。
持久系競技における一般的なトレーニング計画では、3~4週間で週間トレーニング負荷を増加させつつリカバリーの週を挟んで、再びトレーニング負荷が増加させていきます。これは、目標達成のために効率的にトレーニングをしていく上で王道とされている方法です。
トレーニング負荷の「10%ルール」とは?
「10%ルール」とは、週単位で増やしていくべき上達度のことです。例えば、ある週の週間トレーニング負荷の合計値が1,000だった場合、翌週は1,100程度の合計値を目指すと、期待フィットネスの向上が期待できます。しかし、練習量や強度を増やすということは故障のリスクも考慮する必要があります。この場合は、トレーニング負荷の週間の合計値の増加の幅が10%以上に増やす計画だと、オーバートレーニングや故障の原因となることもあるので、かえって非効率的になる可能性もある